「点検表」と「点検票」は、どちらも設備や機械の点検結果を記録する書類を指します。読みは同じ「てんけんひょう」で、法令で使い分けが定められているわけではありません。ただし一般的な使い分けはあり、公的な様式でも両方が使われています。
ここでは言葉の違いを整理したうえで、製造業の現場で点検記録を設計するときに決めておくことをまとめます。
点検表と点検票の違い
ひとことで言うと、「表」は一覧、「票」は1枚です。
| 点検表 | 点検票 | |
|---|---|---|
| 字の意味 | 項目を縦横に並べた一覧 | 一定の様式に記入する紙片 |
| 形 | 複数の項目・複数回分を1枚にまとめる | 1件・1回ごとに1枚 |
| 扱い方 | 設備に貼る、ファイルに綴じる | 提出する、回収する |
| 例 | 日常点検表、安全点検表 | 消防用設備等点検票、消火器具点検票 |
「票」は投票・伝票・問診票のように、1件ごとに独立した意味を持つ紙に使われます。「表」は一覧表・時間割表のように、並べて見渡すものに使われます。点検の記録でこの違いが出るのは、1か月分を1枚に書き込んでいくのか、1回ごとに1枚起こすのかという運用の差です。
公的な様式でも両方が使われています
| 発行元 | 名称 | 表記 |
|---|---|---|
| 総務省消防庁 | 消防用設備等の点検票 | 票 |
| 一般財団法人日本消防設備安全センター | 点検報告・点検票 | 票 |
| 文部科学省 | 安全点検表 | 表 |
消防法に基づく点検は「点検票」、学校の安全点検は「安全点検表」です。どちらかが誤りということはありません。
社内ではどちらを使えばよいか
提出先から様式を指定されている場合は、それに従ってください。消防用設備などの法定点検では、名称も書式も決まっています。
社内だけで使う記録であれば、どちらでも構いません。大事なのは、呼び方を社内で1つに決めることです。同じものが部署によって「点検表」「点検票」「チェックシート」と呼ばれていると、様式を統一するときや電子化するときに必ず手戻りが出ます。
似た言葉の使い分け
| 言葉 | 指すもの |
|---|---|
| 検査表・検査票 | 点検表・点検票と同じ関係。製品や部品の検査結果を記録するもの |
| 検査成績書 | 検査結果を客先に提出するためにまとめた書類 |
| チェックシート | 点検表のうち、確認項目に印を付けていく形式のもの |
| 点検記録簿 | 点検表・点検票を時系列でまとめて保管する綴り |
点検記録として機能させるために決めること
名前より中身です。次の5つが抜けていると、記録が残っていても後から使えません。
- 点検項目 何を見るかを具体的に書きます。「異常なし」の欄だけでは、何を見たのかが残りません。
- 判定基準 どうなっていたら異常かを決めます。数値で決められるものは数値にします。
- 記録欄 ○×だけにするか、測定値を書くかを決めます。測定値を残すと、後から傾向が追えます。
- 実施者と日時 誰がいつ行ったかを残します。
- 異常時の処置 誰に知らせ、どう対応したかまで記録します。
紙とExcelの運用が行き詰まるところ
様式を整えても、紙やExcelのままだと次のところで止まります。
- 記入漏れに気づくのが後になります。回収して初めて空欄が分かります。
- 転記が発生します。手書きからExcel、Excelから報告書と2回写せば、その回数だけ誤りが入ります。
- 探せません。半年前のあの設備の点検結果を出してください、で手が止まります。
- 判定が人によって変わります。基準が書いてあっても、境界の判断は人に委ねられます。
電子化すると、どこが変わるか
タブレットで入力する形にすると、上の4つがそのまま解消します。
- 必須の項目が埋まっていなければ完了できないので、記入漏れが現場で止まります。
- 入力したデータがそのまま残るため、転記がなくなります。
- 設備・日付・担当者で検索できます。
- 判定基準を登録しておけば、範囲外の値は自動で警告されます。測定器とつなげば、測定値の入力そのものが不要になります。
出力する帳票は、いまお使いのExcelの様式のままにできます。現場の入力はタブレット、提出する紙は従来どおり、という形が取れます。詳しくは検査帳票の電子化をご覧ください。
設備の日常点検や使用前点検のように繰り返す点検を紙でまわしている場合は、設備点検のペーパーレス化で、QRコードを使った進め方とできないことをまとめています。
点検表のテンプレートをお探しの場合
弊社では、汎用のテンプレートは配布していません。設備も点検項目も会社ごとに違うため、雛形から始めても結局は作り直しになるためです。
かわりに、デモやトライアルの段階で貴社がいま実際にお使いの点検表をお預かりし、電子化したものを弊社が作成してお見せしています。お客様にゼロから作っていただく必要はありません。手元の様式のまま、画面でどう見えるかを確認いただけます。
進め方は導入の流れにまとめています。
よくあるご質問
点検表と点検票の違いは何ですか?
「表」は項目を並べた一覧、「票」は1件ごとに記入する紙片を指します。1か月分を1枚にまとめていくものは点検表、1回ごとに1枚起こして提出するものは点検票、という使い分けが一般的です。ただし法令で定められた区別ではありません。
「表」と「票」はどちらが正しいですか?
どちらも正しい表記です。消防庁は「点検票」、文部科学省は「安全点検表」を使っています。提出先から様式を指定されている場合はそれに従い、社内の記録であれば呼び方を1つに統一してください。
点検表とは何ですか?
設備や機械について、点検する項目・良否の判断基準・結果の記入欄をあらかじめ決めておき、誰が点検しても同じ基準で状態を記録できるようにした様式です。日常点検表、月次点検表のように、点検の周期ごとに分けて用意することが多くあります。
検査表と検査票の違いは何ですか?
点検表と点検票の関係と同じです。製品や部品の検査結果を記録するもので、一覧形式であれば検査表、1件ごとに起こすものであれば検査票と呼ばれます。客先に提出するためにまとめた書類は、一般に検査成績書と呼びます。
