検査工程の帳票を紙で運用していると、印刷・配布・回収・保管、そして記入ミスや転記の手間がそのまま工数になります。このページでは、検査帳票を電子化すると現場と管理のどこがどう変わるのか、実際に導入された企業の数値とあわせてご説明します。

出力される検査成績書は、今お使いの様式のままです。現場の入力方法だけを変え、社内や客先に出す帳票の見た目は変えずに運用できます。

電子化の対象になる帳票

  • 検査成績書
  • 検査チェックシート
  • 設備点検票・始業点検票
  • 検査日報

いずれも「作業者が現場で記入し、あとで回収・保管・検索する」性質の帳票です。

なお「点検表」と「点検票」は呼び方が分かれますが、法令で使い分けが定められているわけではありません。言葉の整理と、点検記録を設計するときに決めておくことは点検表と点検票の違いにまとめています。

紙の検査帳票で起きていること

印刷・配布・回収・保管に人手がかかる

帳票は作業前に印刷して配り、作業後に回収し、ファイルに綴じて保管します。1台あたり数十枚になると、この往復だけで管理者の時間が消えていきます。

記入ミス・記入漏れ・転記ミスが起きる

紙のチェックシートは、後からまとめてチェックを入れることができてしまいます。測定値を別の欄へ書き写す際の転記ミスも、紙では気づく仕組みがありません。

測定値を目視で読んで書き写す手間

ノギスやマイクロメータの値を読み、帳票に書き込む。1項目あたりは数秒でも、検査項目が数十あれば無視できない時間になります。

トラブル発生時に該当の帳票を探し出せない

「この製品の検査記録を出してほしい」と言われたとき、保管棚から該当のシリアルを探す作業が発生します。

紙のままでは集計・分析に使えない

記録はあっても、不適合の傾向を見るには結局その都度手集計することになります。

電子化で何がどう変わるか

実際に導入された企業の数値です。

企業効果
株式会社 東海機械製作所様検査成績書のペーパーレス化で年約7万枚を削減/検査成績結果の管理工数 60分→30分(1台あたり)/教育工数 50%削減
株式会社 エデックリンセイシステム様検査記録の出力・データ保存 540時間/年(80%)削減/不適合発生件数 64%削減/作業工数 8,400時間/年(10%)削減
ニチアス株式会社 鶴見工場様寸法検査の計算ミス 60件/年 → 0件/進捗確認工数 240時間/年 → 0時間

各社の詳細は東海機械製作所様の導入事例、エデックリンセイシステム様の導入事例、ニチアス様の導入事例をご覧ください。

出力する検査成績書は、今の様式のまま

お使いの検査成績書を Excel でテンプレートとして登録し、記入欄にあたる位置へ「タグ」を書いておく方式です。

作業が完了すると、タグの位置に実績値と検査結果が流し込まれ、記入済みの検査成績書が Excel ファイルや PDF ファイルとして出力されます。

  • 罫線・ロゴ・押印欄など、Excel で表現できる体裁はそのまま残せます。
  • タグ名には日本語も使えます。
  • チェック項目は 1/0 で出力されるため、Excel の数式で「OK/NG」など任意の表記に変換できます。

社内の様式を変えずに済むこと、客先へ提出する帳票の見た目が変わらないことは、導入時の社内調整をそのまま減らします。

※ 検査結果の記録と検査成績書の出力はオプション機能です。詳しくは料金プラン・製品の選び方をご覧ください。

測定器とつないで、転記そのものをなくす

測定機器を adFactory と接続すると、測定値の取得・良否判定・記録までが自動になります。人が値を読んで書き写す工程が消えるため、転記ミスが原理的に発生しません。

Bluetooth 対応の測定器

Bluetooth 機能を標準搭載した測定器はもちろん、別売りのオプションユニットを装着した測定器も接続できます。

有線・独自規格での接続

Bluetooth 以外にも、有線や独自規格で接続する測定器、さらに測定機器以外の設備とも連携できます。他社製品では対応が難しい領域まで対応できることが、adFactory の特徴です。

測定項目には上限値と下限値を設定でき、取得した値が範囲内かを自動で判定します。

計算した結果も、そのまま判定できる

測定値どうしの計算も、その場で自動的に行えます。計算結果に対しても上限・下限を設定できるため、電卓で計算して帳票へ書き写す、という手順そのものがなくなります。

  • 四則演算のほか、最大値・最小値・平均値、絶対値、平方根などの関数が使えます。
  • 測定値を入力すると同時に計算し、次の項目へ自動で進む設定もできます。
  • 計算結果にも、上限・下限による自動判定がかかります。

ニチアス株式会社 鶴見工場様では、寸法検査の計算ミスが年60件からゼロになりました。

※ 機器との接続部分は、お使いの機種・規格に応じた個別のご対応となります。

入力画面のつくり

タブレットの画面は、1ページに図や写真を1枚表示し、その下にチェック項目を並べる構成です。1つの図に対する複数の項目は同じページにまとめられ、対象が変わるところでページを分けます。

紙の帳票をそのまま画面に再現する方式ではありません。これは、1項目ずつ確認させることで作業飛ばしを防ぐための構成です。紙のチェックシートで起きがちな「最後にまとめてチェックを入れる」ができなくなります。

入力できる項目の種類は次のとおりです。

種類内容
作業・検査OK/NG のチェック
測定数値の入力。上限・下限による自動判定。自動計算機能
カスタムシリアル番号などの文字入力
画像検査結果の写真記録
日時日時を記録
完了判定工程内の全項目が入力済みかを自動で判定

「完了判定」により、入力忘れのまま工程を終えることを防げます。

※ 図や写真を表示する機能はオプションです。

導入の進め方

  1. 帳票をデータ化する ― 現在の検査成績書をもとに、工程と検査項目を作成します。このデータ化作業は弊社が実施しますので、お客様側で準備いただく必要はありません。
  2. タブレットで入力する ― 作業者は画面の指示に従って、チェック・測定値の入力を行います。
  3. 検査成績書として出力する ― 作業完了後、記入済みの帳票を Excel または PDF 形式で出力します。

導入後、検査項目や帳票の内容はお客様側で追加・変更できます。項目をひとつ増やすたびに弊社へご依頼いただく必要はありません。

よくあるご質問

今使っている検査成績書の様式のまま出力できますか?

できます。お使いの Excel をテンプレートとして登録し、記入欄にタグを設定する方式です。罫線やロゴを含め、Excel で表現できる体裁はそのまま残ります。

タブレットの画面も、紙の帳票と同じ見た目になりますか?

いいえ。入力画面は、図や写真を1枚表示し、その下にチェック項目を並べる構成です。1項目ずつ確認させることで作業飛ばしを防ぐ狙いがあります。

検査項目を変更したら、過去の記録はどうなりますか?

検査項目は版数で管理されます。内容を変更する際は版数を上げた新しい版として登録されるため、過去の版はそのまま残ります。一覧画面では、最後に更新した担当者名と更新日時を確認できます。

検査項目は自社で追加・変更できますか?

できます。作業手順・検査項目・帳票の内容は、基本的にお客様側で入力・編集していただけます。

インターネット接続は必要ですか?

必要ありません。オンプレミス構成であれば、通信は社内ネットワーク内で完結し、データが社外に出ることはありません。ただし、タブレットなどの作業者端末を別に設置する構成では、端末とサーバー間の通信(社内 LAN/Wi-Fi)が必要です。現場の無線LAN環境については、導入前にご相談ください。

今持っている測定器は使えますか?

Bluetooth 対応の測定器のほか、有線や独自規格の機器にも対応できる場合があります。お使いの機種をお知らせいただければ確認いたします。

どの端末で使えますか?

Windows 11・Android・iPad に対応しています。画面は10インチ以上が必要です。ブラウザで動作するため専用機は不要で、ノートPCでも操作できます。詳しくは動作環境をご覧ください。

ご構成について

本ページでご紹介した機能は、adFactory でご利用いただけます。作業手順書の表示や進捗・工数の見える化、作業分析までを同じしくみで扱えるため、検査帳票の電子化から始めて、そのまま現場全体へ広げていくことができます。

設備の使用前点検や日常点検のように、オーダーに紐づかず繰り返し行う点検に絞る場合は、adFactory Reporter という選択肢もあります。

本ページでご紹介した機能には、標準機能とオプション機能が含まれます。必要な機能の組み合わせとご費用については、お問い合わせください。料金プラン・製品の選び方もあわせてご覧ください。

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